2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
無知とは現代における最高の贅沢である。 *** 何をしても、何を言っても何らかの立場を取らざるを得ない。すると必ず反対の立場の人間が現れて議論が始まる。議論が盛り上がってくると、誰かが武器を持ち出す。戦争のはじまりである。 それでは困るからと…
どうやら現地人を撒いた二人はなおも走り続けました。医者は息も絶え絶えになってへたり込みました。 「もう走れない」そう医者がいいました。「腓腹筋が攣ってしまう。脾臓も辛いし、肺も悲鳴を上げてる。限界だ」 「もう少し先まで行こう」宗教家が言いま…
音楽家は現地人の槍に刺されて、医者と宗教家の手当のかいなく息を引き取りました。しばらくはその場の荘厳な空気に圧倒されていた現地人たちも、もぞもぞしはじめました。医者がいいました。 「この機に乗じて逃げるべきだ。あの人数に襲い掛かられたら今度…
コンタクトレンズは涙の海に浮かんでいる。 *** プラスティックの眼球は、傷がついたりすると大変だから、きっと日頃の手入れに気を遣わねばならないだろう。 僕もときどき眼球をとり出して洗ってあげたくなる。眼とヒョロリとした尻尾のような筋を眼窩か…
すっかり中年の身体に慣れてしまって、岩に至る坂も登れない有様であるにもかかわらず、去年できなかったスラブが登れた。グレードは3級。 言ってしまえば離陸が解明できたというだけの話である。ムーブの引き出しが実家の古箪笥くらい遠くかつボロになって…
先日、合羽橋の道具街へ行ってきました。日曜であったため休みの店も多かったのですが、それでも圧巻で、端まで行かずに引き返してきました。ウーン体力不足。 ああいうところは目的をもって行かないと要らないものを買って終わりになることもあるけれど、目…
とうとうロードバイクを買ってしまった。しばらく前から買い物は気合で行うことにしているから、たまたまタイミングが合ったわけだが、なにしろ速い。クロスバイクを買ったときにも思ったが、はっきり言ってその比ではない。もう何というかロケット! である…
現地人のある者は現地の現実(レアル)事務所とでもいうべき場所で働いている。 *** 「この、ヤサグレ国家の犬どもめ!」現地人たちは口々に叫びながら、持っていた石槍を三人に投げつけました。一本の槍が深々と音楽家の右肩を貫きました。 「アイタッ!」…
ひところ水筒男子がもてはやされた時期があったと思って、いまさらながら乗っかろうとしたらブームはもう10億光年くらい遠くに去ってしまっていた。乗り損ねたんだな。 知人からスターバックスのボトルをもらったので、使わないのもアレだからめげずに何と…
久々の休日、どこへ行ったかは言うまでもない。 雨上がりのせいなのか、ギアが軽すぎるのか、踏み込むと後輪が空転する。またしても途中で足を着いて、自転車を押していく。 結果として前回よりはフレッシュな状態で岩場に到着。登ろうとしていると、珍しく…
なってどうするのかまでは知らぬ。 *** 仕事中の徘徊は望ましくない、と言われたので―イエローカードだそうだ―、椅子にへばりついている格好である。何ともツライ。お尻が痛い。 こないだどこぞの会社の受付さんと飲んだ時、シフトが決まっていて担当の間…
音楽家はヴィオロンをポロンと爪弾きました。 「ダメだろうそんなことをしては」と医者がいいました。 「いいのだよ」音楽家はこたえました。「どのみち弓もないんだ」 するとさっきまで押し黙っていた宗教家がいいました。 「あの山の遠くに、白く輝くそれ…
というアニメがあるらしい。その原作は『ばくはつ大将』であるらしい。『いなかっぺ大将』みたいな作品であろうか、と字面だけ見て想像しているが、全然違うかもしれない。 *** 朝はそれほどでもなかったのに、夕方にかけて腰が痛くなってきた。そして、…
緊迫した状況では、咄嗟の状況判断にその人の素が出るという。 さっさと通り過ぎてしまおうとする者もいれば、立ち止まって考える者、思考停止する者、踵を返して立ち去る者、いろいろだ。 大雑把に言って、これらの反応は3つに分類することができる―前進、…
こころを悲しみに支配させてはいけない、そうセスナの神様は言った。僕が「どうしてですか」と尋ねると、神様は悲しそうな顔で感情のデコレーションを嘆いた。 神の演説に傾ける耳はくさって取れてしまっていたから、僕はただ神様の表情から事態を推測するし…
ハリー・ベラフォンテの歌唱で有名な「バナナ・ボート」は「カリプソ」という音楽の存在を世界に知らしめたが、その内容はだいたい次のようであるという。 ラムを一ペイやって夜通し働きづめ 陽の光が射してきた おいらはもう帰りてえ 朝が来るまでバナナの…
釣研のキャンペーンにチマチマ投稿していたら、ポイントが貯まってエギをゲットすることができた。タダで1,000円もらったようなものである。懸賞に当たるのもこういう感じなのだろうか。知らんけど。 釣具メーカーはちょいちょいこういうプレゼントやキャン…
「今日のランチひとつ」 「じゃあ俺は……何これ、昨日のランチ、なんてのがあるよ」 「あ、それは昨日の今日のランチです」 「今日作ってんだよね」 「もちろんです」 「じゃー俺昨日のランチ」 「ん、次は俺か…俺はこの明日のランチってやつにしようかな」 …
『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』を聴いた。オーケストラは少々騒がしかったが、バードは相変わらずスウィングしていた。 バードを崇拝した50年代の実存主義者たちのある者は、バードのアルトを「黄金色のペニス」と呼んでいたという。確か…
ロードバイクのタイヤがそろそろ平らになってきた。そして気がついたらフラットペダルの反射板があらかた外れてしまっていた。後輪のバルブの蓋も取れていた。 ぼちぼちオーバーホールというか、整備というものをせねばならんのかもしれん。これまた寒くなる…
土曜はまたしてもかろうじてタコを1杯。まだギリギリ行けるのか。 去年は12月頭に鶴羽の港でタコを釣ったのが最後で、浜では11月以降釣れていなかった。水温は去年の方が高かったから、他に理由があるのか、いまひとつ判然としない。 日中、曇天で満潮からの…
何かいわくがありそうで 別にこれといった何物でもない そんなものをもてあそんでいたら フイに後ろから小突かれた オヤ振り向くと誰も見えなかった 向き直るとまたポカリとやられた も一度振り返るとやはり誰も見えない あごヒゲをさすりながら考えこんでい…
冬の凍った川のように眠っていなさい。 *** 朝の4時半に家の裏山を車で散歩するというミュージシャンが乗るのは1976年製のキャデラック、曰く「あの中低音はキャデラックでないと出ない」とのこと。しかもこれが部品を日本製に変えると音まで日本製になる…
「あくまがぼくのうちのドアをたたく」 「そりゃ大変だ。何で叩く?」 「あくまでたたく」 「あくまはあくまで君のうちのドアを叩く。あくまで叩く。そういうわけか」 *** 性格小説を書くとして、それが平面的であれ立体的であれ、多数の性格を描かねばな…
「70年代には3つの偉大なビートがあった。フェラ・クティのアフロ・ビート、JBのファンク、そしてクラウス・ディンガーのノイ! ビートだ」 ―ブライアン・イーノ― *** ブライアン・イーノ『アポロ』 環境音楽やアンビエントという括りで語られることが多…
選択はかつて選ぶものだったが、いつの間にか選ばされるものとなり、いまや選択の本質はいかに選ばされるかの一点にあると言っても過言ではない。選択は幻想であり、「選んでいる」というのは思い込みに過ぎない。 これに対し60年代のある連中は「みんなぶっ…
「大切なのはビジョンだ」(レイモンド・スコット) *** 困っている人間を助けたいと思うのは、自然な感情だと思う。ジュツテキソクインの心ってやつ。 でもひとたび組織に入ったからにはそんな感情は不要どころか害でもある。何故かって? 欧米流のビズ…
今日はかろうじてタコを1杯。9月以降、早朝に潮位が上がらない日が多いので、タコポイントがあまり機能してくれない。 とくに港の横の小場所は、今年はほとんど釣れていない。そして去年より根掛かりによるロストが多い。いずれも原因は不明。 同じポイント…