2022-01-01から1年間の記事一覧

パパちゃん

子どもは自分より年上で何かを教えてくれる人を先生と呼ぶ。「先生と呼ばれる度に人間は馬鹿になっていく」と書いたのはたしか團伊久磨、だったと思う。 幸か不幸か今のところそうした事態には至っていない。これからもないだろう。 *** 育児本で読んだti…

映画の話12

『キャリー』(ブライアン・デ・パルマ、1976年) *** 相当な残酷映画ではあるものの、テーマが何だったかと言われるといまひとつ判然としない。ホラー映画と割り切ってしまえばビビらせたもの勝ちであるともいえるのだが、目立った恐怖シーンは最後の箇…

ちびくろ

我々の動きを目で追って自らの頭の重さに振り回される息子。その息子に振り回される我々。 *** われわれはもう十分に知っている、このチョークはフリクションがいい、あのチョークはもっと指に馴染む、三番目のはいっそう純度が高くて、四番目のははじめ…

頼母子

息子は毎晩、世界とたたかっている。 *** 乳児という存在は、まだこの世界に自分自身をうまく定位できていない。したがって夜が来て周囲が闇に閉ざされると、自身を容易に見失って、恐懼するのである。そのとき彼らが現世と唯一の接点とするのが母の乳房…

せんといけん

「よいうなぎは身ではなく、皮目に脂がのっているものだ。だからベシャベシャにならず、脂にキレがあるのでくどくないのだ」(『魚河岸三代目』) *** 妻の実家からナメタガレイが届いた。瀬戸内のカレイとは巨きさの桁が違う。子持ちの輪切り状態で送ら…

事の難易と時の長短を比較せずして、時を計ること寛やかに過ぎ、事を視ること易きに過ぐ。事業を遂げざる所以なり。(福沢諭吉『学問のすゝめ』十四編) *** ときどき目標の成否や得失について棚卸しをする。蹴り倒してしまうハードルが出るのを受け容れ…

不良中年

受けた教育については語るまい。数えるほどしかないのだ。(『地下鉄のザジ』) *** 件の餃子屋の壁から拾った生活訓。 ・人には馬鹿にされていろ ・怪我と災いは恥と思え ・朝機嫌良くしろ ・人には腹を立てるな 他にもいくつかあったが忘れてしまった。…

Grapevine

先日、久しぶりにお鮨屋さんに出かけたら、大将がいろいろの話をしてくれ、今昔の感に堪えないようだった。 ―今の人は夢を見づらくなったね。昔は勉強がダメでも肉体が頑丈なら仕事がいっぱいあった。港の荷物なんて人間が運んでたんだから。100kgくらいの荷…

木地師

どんな動物でも、群れを率いるボスは挑戦を拒否できない。拒否することは敗北を認めることであり、ボスの座を降りることを意味する。 *** 組織には責任の所在というものがなく、いったんことが起こればけむりのごとく問題をうやむやにしてしまう。固陋な…

ちょいちょい

あきらめるところから舌が回り出す。あきらめることによってどうにか筆がすべりはじめる。 *** 困ったときの質問(それ、~?)。 ・状況、行動、主体、手段、方法、目的、結果 ほかに比較、前提、仮定など。 兎にも角にも、忠告とは自分がするものではな…

雄武

つつあるにとどまる、などと言われると、思わずニコニコしてしまう。 *** 今は無き餃子屋で採取した相槌。 ・想像がつきますね ・ややこい ・酷ですね ・大変ですね ・~の愚痴だろうな ・そうですね~なのに 何かを解決する必要はない。事実確認もいらな…

映画の話11

『自転車吐息』(園子温、1990年) *** 起こしてはならないものを起こしてしまっている。理性が脆弱な感情に負けてしまっている。 ウダウダを突き抜けるだけの力はない。ウダウダは解消されずに澱として沈み続けることであるし、また生きていくことはそれ…

パウリスタ

「~どこ行ったか知らん?」 「置いたところにあるでしょう?」 ―たしかに。 *** コーヒーを日常的に飲みはじめたのは、確か小学校の高学年からだった。コーヒーがないときは、紅茶を飲んだりしていた。ンー、ナマイキだ。 中学校に上がってしばらくした…

肉圧

派手すぎずそれでいて大胆なスタイル。振り袖ほっぺに腿モチ。上下ともにモチ。モチのセットアップ。全身モチマン。 ・・・息子がムチムチになった、というだけの話。 *** 今年も鴨がやって来た。父の知り合いが毎年この時期になると届けてくれるのである…

万古不易

学問とは心を澄ませ感受性を守る道である。これホント。 *** 昔は騒がせ屋と処理屋がはっきりしていたが、今は騒乱は未然に察知され起こりを抑えられ、建設はとうに済んで安定を維持するのが主だから処理も目立たない。結果として搾取と横暴はブラックに…

とかって

昔から肉が取れる獣類をシシと言ったそうだ。シシ=肉であり、イノシシのほかにもカノシシ(シカ)、クラシシ(カモシカ)がいる。そうしてみると『もののけ姫』のシシ神などは、さしずめ三種混合といえようか。 *** 息子が四種混合で泣き叫んだ話、では…

SUPER DUPER RAFT

小僧が出て行ってから五分も経つと、ノアの洪水以前の木片のようなものを引張って出て来た。最近どこかから発掘され、しかも発掘の際、不必要に損傷を受けたような傷だらけのものである。(ジェローム・K・ジェローム『ボートの3人男』、丸谷才一訳) ***…

Flying Shuttle

この国における道とは思想ではなく美意識のことである。どんなものでも美に変えてしまうのがこの国の民の美質であると言っていい。 からだを鍛え、芸を練り、精神をしなやかに強くする。そのような暮らしから生まれる硬質な叙情、それが美であり道である。 …

バイキルト

補助呪文シリーズのつづき。 krokovski1868.hatenablog.com *** ノンアルコールビールを探索しているうちに「いま飲むとしたら何だろう」と考えだしてしまい、本やウェブを眺めてみたところ、飲んだ銘柄で旨かったものでも、けっこう忘れていることに気が…

失中

家人がイノシシのことをしばしば「イノスス」と発音するので「かっぺい奴」とからかっていたら、なんと学名がSus scrofaだった。ススは合ってんのか。 *** イノシシ話の続き。 krokovski1868.hatenablog.com あれからイノシシ関連の書籍を何冊か読んでみ…

お布令

エンゲル係数= 食費÷消費支出 × 100 エンゲルの法則・・・所得が上昇するにつれて、エンゲル係数が低下すること。 *** ふと「エンゲル係数を20%にしてみよう」と思い計算したところすこぶる高い。ゆうに40%を超えている。しかしながら「一食たりとも油…

スクルト

前回の続き。 krokovski1868.hatenablog.com 先日の発見に気をよくして、少し網を広げてみたところ、意外と飲んでいない銘柄があったので、ちくちく試してみた。 結果、クラウスターラーが総合1位を獲得。コスパを求めるならヴェリタスブロイ。この2種類をメ…

龍力

ヘミングウェイはソリッドすぎて平凡さと外見が一緒になった。一方、ダシール・ハメットはソリッドすぎて前衛性と外見が一緒になった。 *** 最近の驚き。うーめんの束を鍋に入れるとき、先に中心部を指で押し抜くと、外周部が自然に落ちて束を破らずに済…

どったの

論語によれば「その位に在らざれば、その政を謀らず」という。一方で「役割が人間を作る」ともいう。格言はいつも半分ずつだ。 *** 夕方のニュースで聞いた、イノシシと遭遇したときの対処法。 ・刺激しない ・後ずさりして立ち去る ・物陰に隠れる 周囲…

めがねのてんぷら

ウサギ追い・・・山の斜面の上から大勢の人で一斉に追い立てて捕まえる、後足の長いウサギが下り坂で極端に動きが鈍るという弱点を利用した猟法。 *** それにしても猪をどうするか。まずは猪の生態を調べよう。猪に負けない身体づくりが必要だ。 ・・・な…

書物の神、トト

脾肉を嘆じている時間は過ぎ去った。豆苗だけでなく小ねぎも再生させねばならない。 *** 節約というよりは生活のダウンサイジング。もともと、必要なものはそんなにないのである。時間と金が余れば、新しいものごとに費やしたくなるというだけで、そうで…

黄な粉

進歩前進ということを、丸ごと信じない方がいい。みんながぐーたらぐーたら暮らしているように見えるなら、気をつけた方がいい。 *** 家人によると、秋田県仙北市で作られている「落葉かりんとう」がおいしいそうだ。10年ほど前に仕事で時々訪ねていたが…

YBC

チップスターやプリングルス、それらに限らず筒状の容器に入ったポテトチップスをひとりでよりおいしく食べるためのtips。 袋を端から上下に開く 横に倒す 好きな枚数を取っていく これだけである。1枚1枚が縦に整列し、かつ全体の量が見えるというのがミソ…

Oh! Mountain!

60年代のファッション雑誌にたしかこんな言葉があった。 「どこから手を出すのか、なんて考えてはいけない。自然であることを離れて純粋な美的造形物になる、美しいオブジェとして街中を歩きたい、そんな欲望を、モードがみたしてくれる。」 *** さいきん…

Touch Wood

11月のゲームセンターでは知識と反射が限定的な名誉のために浪費され、膨大な精神エネルギーは筐体を動かす電気代にもならない。 *** EMPTY! からっぽ! NO MORE なにも なし ALL GONE ぜんぶ たべた FRESH OUT! しなぎれ! DARK!! ISN’T IT!! のこってる…