以前に紹介した高強度/低強度トレーニングの話のつづき。
調子がわるくないと感じていて、前回のハードセッションから48時間以上経過していたら、高強度の日にする。一方、そんなに調子がよくなくて、まだ48時間経っていなければ、低強度の日にする。これはシンプルだ。問題は強度の解釈だけである。
高強度といったって、打ち込みまくってヨロヨロになれというのではない。むしろ逆で、まだ力の余っているうちにやめる。疲れる前にやめる。
神経系の疲労を測るには、コーディネーションを見ればいい。デッドを外しだしたら、もうとっくに中くらいの強度になってしまっている。じぶんのムーブに最大限意識的になって、すこしでも精度が落ちたと感じたら切り上げる。たぶん目安としては長くても1時間くらいのものではあるまいか。トライ間にとるレストも入れて。
頑張ればさらに強度は上がると考えがちだけれど、上がっているのは強度ではなく量で、努力度合いとしてはたとえば95%→85%に薄まっている。それで48時間休んでも足りないので90%しか回復せず、その状態で95%の高強度の日に臨んでも、95×0.9で85.5%くらいしか出しきれない。これは中くらいの強度まで下がってしまっている。
このままつづけると、トライするほど努力度合いが下がって、ますます中くらいの強度になってしまう。悪循環である。
この努力度合いは、以下のようなプッシュではない。
・指皮がなくなるまで打ちまくる
・セッション内にできるだけ多くのむずかしい課題を登る
・ひたすらフルスパンの動きをくりかえす
・一本指ポッケに一分間ぶら下がる
ここでいう高強度とは
・わるいホールドを使って1-3ムーブ
・身体張力を全開にするような1-2ムーブ
・悪いホールドに数秒間全力でぶら下がる
のような感じである。
さて、反対に低強度の日はどうするか? 低強度の日を低強度にとどめることができないと、やっぱり高強度トレーニングを侵食してしまう。
たとえばスキルトレーニングでも、気がつくとホールドをわるくしすぎることがあると思う。ゆるい課題をサーキットするつもりがついつい強度を上げてしまっていたりしますね。
基本的に落ちるような課題をトライしてはいけない。ARCをするというくらいに考えておけばいいのかもしれない。
低強度の日がおわったら、身体があたたまって、活性化して、こなれている、そんな状態になっている。そこでとどめることを覚えようという話。
以上、連絡おわり。
