気がついたら

 三週間近くが経過していた。原因はアレである。アレだ。アレだった。あの、仕事ですね。リーマンクライマーの泣きどころである。

 

 それで二週間ぶりに登ってみたらまあ当然ながら身体が動かない。二日たってようやく筋肉痛を食らいはじめている。「なんだかおなか痛いな〜」と思ったら腹筋痛だった。笑えない。

 

 止むを得ない事情があるとはいえ、こうもアッサリ登りから離れてしまえるのは、元々コミットメントがその程度なのかと、われながら何とも言えない気持ちになってくる。われわれがモチベーションだと思っているうちのけっこうな部分は習慣づけによって支えられているのかもしれない。

 

 レストすると弱るのが目に見るので、ふだんは長期レストをとれないのやが、こんな風にいったん休んでしまうと今度は再開するのが億劫になって、というのもガッカリするのが明白だからわざわざテンションを下げに出かけたくないと、こういう心性なのですな。典型的な先送りである。

 

 それでますます休んで、気がついたらもう仕事はとうに落ち着いているのにポテチなんぞ食って居る。このままでは登らない日々が習慣化してしまう、そう思って登りに行って、予想通りガッカリして帰ってきたというわけ。ここで焦るとケガするんよね。わかっちゃいるけど、キビシイぜ。原因が自分だから何ともしようがない。というわけで黙々とARCをしている。ブランク明けの導入に役立つものか、どうか。

 

 まあ何だ、たまにしか登らないのに強い人というのは、日常の動きの質が高いのだろうな、きっと。ちょっと休んだ程度でこんなに動けなくなるのは、普段から身体の声を聴いていないからだ。

 

 ちなみに今はただでさえ鈍いセンサーが殆どまったく働いていないので、身体が何を言おうとしているのか、痛みという名の不平不満以外は感じることができない。

 

 やれやれ、参るねえ。