冒険、あるいは取立て屋のブルース。
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鈍りきった指皮に急に負荷をかけまくったら、中指と薬指に仲良く水ぶくれができてしまった。血豆ができたり削れたり硬化したりするのはわかるが、こんな風にもなるのだな。まあ、急ぐ旅でもないのだし、治るまで基礎練をしていよう。
先日、職場のクライミングとは無縁の人物に「不可避に訪れる谷の時期、上達を感じられない時期がつづいてやりきれないとき、いわゆるスランプの時、どのようにそれを乗り越えることができるのか」と問うたところ、いまもし自分がレベル20だと思っているとしたら、レベル10のときにしていた練習をもう一度とりだします。コツがあるとすれば急がないことです」と返ってきた。ちなみにこのひとはオーケストラで管楽器を吹いている。
「できるようになったと思ってやめてしまっているトレーニングのなかに上達へのカギが潜んでいる」というアレか。たしか『パフォーマンス・ロック・クライミング』にも書いてあった気がする。いま調べたら新装版が出ている。トレーニング本で古いものなどとっくに乗り越えられている、と一蹴してしまわないで、読み直してみるいい機会かもしれん。
ちなみに著者の一人はたしかドイツのナショナルチームのコーチをしていた人なので、それもけっこう最近の話だったはずなので、まあレジェンドである。
もう一度本屋に行って教えを乞うてこよう。アレ、店頭にない?
