サラリーマン三か条

 サラリーマン三か条

 

1 怠けず

2 休まず

3 働かず

 

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 一日仕事を休むと勘が鈍るという人もいる。その勘というのが何なのか、諸説あって必ずしも定かでないのだが、それについてちょっと考えてみたくなった。

 

 一日仕事を休むことで何が起こるかは、週のどこを休むかによって変わってくる。不動産業なら水曜休みだし、理容室は月曜休みが多い。図書館や博物館はまた違うだろう。ひとまずここでは土日休みの人種に絞って検討していく。

 

 まず金曜日と月曜日に休む場合。いわゆる三連休にするわけだけど、その中身はかなり違う。結論から言うと、金曜休みの方が月曜休みより得である。週明けに顔を出さないのは感じが悪い、というのがひとつと、もうひとつは月曜は仕事が多いので―休日の間に郵便やメールやFAXが届くのだ―仕事がいつもよりハードに感じることがあるためである。

 

 勘が鈍るというのは、たんに業務をこなしきれずにアップアップしているだけという部分もあって、この場合がそれにあたる。

 

 次に火曜日に休む場合。これは休んだ印象が最も薄くなる。月曜日の影に隠れられるというのと、とりたててコメントが思いつかない、というのがもうひとつ。

 

 水曜休みは週の真ん中であるから少し目立つし、休みまでと休み明けにまだ二日あるという事実が、休みの効力を減じる。もっとも、これは考え方次第という気もする。三連投では故障の恐れが増す、というような場合は、中二日というのは現実的な選択かもしれない。

 

 木曜と火曜では火曜に軍配が上がる。土日に近いことがその理由で、水曜という週の天王山を超えると誰もがうっすらと土日のことを考えはじめ、そこで休まれると先駆けされたような気がするものである。つくづく情けない話だが、それがサラリーマンという人種なのだから仕様がないですね。

 

 そうであるから、特段行事等の予定がない場合「コッソリと休みを取りたいのなら火曜日」ということになる筈なのだが、僕の見たところ、職員の休みの取り方は本当にまちまちで、これは各人の考え方の違いを如実に反映しているようにも見え、もっと言うとみんな用事のある時にしか休んでいないようにさえ見える。

 

 休むなら火曜だと思うんだけどなァ。