そんなにないよ

 あまり大量の情報に囲まれると何が何だかわからなくなりますよね。脳のキャパをオーバーするとショックで空白状態になるから、現代人がしばしば自分が誰かわからなくなるのも、そのせいだとしたら無理もないのかもしれない。

 

1 需要が供給を生む(これまでも、今も、これからもなくなりはしない)

2 供給によって需要を造り出す(その手法は洗練され続けている)

3 やがて消費者は自分がほんとうにそれを求めているかどうか、わからなくなってくる  

 

 さて近頃は、

 

4 企業と消費者―prosumer―が手を取り合う、一定の過程を辿らせることによって「ああ私はこれがほしいんだな」とウソでもいいから思わせる

 

 とうとうこんな極地まで来てしまったみたいである。  

 

 一流の料理はいわゆる美味しいものを提供する。超一流の料理は、食べたこともなく、したがって予測もつかず、しかしながら食べた瞬間に「ああ自分はこれが食べたかったのだ」と思わせる。これは2の最も幸福なパターンか、それとも・・・