サヨリに関する諺。
●針魚は一人で釣れ
●針魚はコマセて釣れ
●針魚は雨を釣れ
曇りや濁り潮もいいらしい。何せサヨリは警戒心が強いという触れ込みである。
そういえば、釣り場に着いて、投げ初めに数尾釣れたら、その後ずっと釣れない、そういうパターンがよくあるけれど、あれは警戒されてしまっているのかもしれん。
仕掛けの着水音もそうだが、波返しの上に乗らざるを得ないにしても、身を低くする、くらいは意識してみるか。渓流釣りでは「木化け」「石化け」といって気配を消すことがとやかく言われるようだし、海にしてもその部分はきっと一緒だろう。
最初からリールを持ってしまった上に、海から、しかもルアーで始めたから、こんなにとっ散らかっているのだろう。これが延べ竿だったら、もう少し順序立てて釣りを覚えることができたのかもしれん。
釣る範囲が限定されれば、自ずとできることも限られてきて、取り組む対象も絞り込みやすくなる。遠投ができなければ、届く範囲に魚を寄せることを考えるので、コマセが必須となり、コマセを流すために潮の流れを意識するようになる。
人間と仕掛けの距離が近いから、自然に気配を消すことを覚えるだろうし、投げることができないから、自然と縦の釣りになって、タナの意識ができてくる。
言ってみれば、サヨリ釣りの仕掛けのまま、タナを深くして、ガン玉を調整すれば、表層からウキ下までの距離をすべてカバーできる理屈である。
実際、隣の常連さんは延べ竿でサヨリだけでなくグレを連発していた。ハリスは1メートルと言っていたから、コマセで寄ったグレがサヨリより下の泳層で釣れてくるのだろう。
何せ常連さんはなべて静かに釣っている。私も岩登りの要領で、石化けに取り組んでみよう。
