ナカゴ紙

 夏に行きたい場所、と考えて、ここという場所がパッと出てこない。夏に行きたくないところを考えて、その逆を行ってやろう、そう思い立ってはみたものの、何か違うような気がする。

 

 あるいは冬に行きたい場所の逆を考えればいいのかも。ンーでも冬にアイス食べたり、夏に辛い物食べたりするものな。こういうのってたしか相応の理由があって、前者はカロリー摂取、後者は汗かいて体温を下げようと、そんな話だった記憶があるけれど、やりたくないっちゃやりたくないぞ。人によるのか。わからんム。

 

 我知らず食いものの話になってしまった。閑話休題。ウンでも海とか行きたいなァ。ハワイとか。ミクロネシアタヒチとか。あるいはパプア・ニューギニア。チンブー族の人々と暮らす夏。ひょっとして私の幸せは赤道の向こう側にあるのじゃないか。んなこたあ〜ない。

 

 ずいぶん前に北の人から「南国の人間の気質が温和になるのは、放っておいても食べものに不自由しないからだ」と言われたことがある。「だってその辺に果物とかなってるじゃん、雪で凍える心配もねえし」などという話だったが、そんなにうまくいくものだろうか。北国の夏でさえじゅうぶんツラいのだから、南国の夏って、それがあるとしたらムチャクチャ厳しいんじゃあるまいか、とそんなことを考えて、いい方だと自分をだまして、一か月を乗り切ろうというのだけど、果たしてうまくいくものやら。

 

 きっと夏にしかできないことを考えればいいのだ。そうに違いない。

 

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 などということを7年ほど前に書いていた。ちなみに讃岐の夏は厳しいが、日陰は涼しく、風もあり、山も海も手近にあって、都よりだんぜん快適である。

 以上、報告おわり。

 

 

 

パタゴニア