「70年代には3つの偉大なビートがあった。フェラ・クティのアフロ・ビート、JBのファンク、そしてクラウス・ディンガーのノイ! ビートだ」
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ブライアン・イーノ『アポロ』
環境音楽やアンビエントという括りで語られることが多い人だが、自分で書きながら実際どういう人なのか、はっきり言ってあまりよくわかっていない。
ポップスから入って、ビートを保ちながら前衛的で抽象的な音を探していくと、どこかで突きあたる人なんじゃないかという気がしているが、まとまった数の作品を聴いたわけでもないこんな発言には当然、何の信憑性もない。
本作は、数年前に仕事で南アフリカに出かけた際、機内の音楽プログラムにあったのを偶然見つけて聴いて以来、もう一度聴こうとして果たせていない作品。よく取り上げられる『ミュージック・フォー・エアポーツ』は10年以上前に聴いたが、こちらは正直あまりピンと来なかった。
まあ、音楽は煎じ詰めるとグッとくるかどうかだから、どこら辺が響くかは、人それぞれとしか言いようがないし、響かねえものをこねくり回してどうにかなるものでもないと思っている。
自分についていえば、クラシックとテクノと呼ばれる音楽群については、ものによるという但し書きはつくものの、ほぼ響かない。殿山泰司風に言うと「ノウズイにピンピンと来ねえ」のである。
クラシックについては幼少時のピアノ発表会前の憂鬱な記憶が邪魔をしているものと思われるが、テクノについてはまったく心当たりがない。
まあ、好き嫌いってそういうものだし、変えるというよりは、変わっていくものであるとも思う。
ちなみにウィキペディア教授に訊ねたら、イーノはロキシー・ミュージックの元メンバーだそうである。また、Windows95の起動音は彼が手がけたものであるという。
どんな音だったか、これまたそのうちに探して聞いてみよう。