狼よさらば

 ひところ水筒男子がもてはやされた時期があったと思って、いまさらながら乗っかろうとしたらブームはもう10億光年くらい遠くに去ってしまっていた。乗り損ねたんだな。

 知人からスターバックスのボトルをもらったので、使わないのもアレだからめげずに何とかしようと、そんな経緯で人生で初めて麦茶をつくった。

 

 と、いうか麦茶パックを水に入れるだけで出来るとは。何という手軽さ! これなら私でも毎日つくれるな。でもさすがに水道水だと微妙だったので、とりあえず煮沸してからパックを放り込むことにした。少しはマシになったようだ。これは入れっぱなしにすると苦くなるようだけど、まあ気にせず飲んでしまう。

 

 ただ問題は部屋に薬罐がないってことで、大ナベ小ナベが1つずつしかないから、大ナベを使ってしまうと麺を茹でられないしカレーもつくれない。パスタはちぎれば小ナベでもいけるけど、それだとイタリア人に怒鳴り込まれるかもわからない。

 

 やむなく大ナベ―小ナベ―ボトルの順で注いでいるが、毎回何か大切なものをムダにしているような気になる。おまけに生来の不器用さゆえ、注ぐのにけっこう神経を使う。幸平鍋にしておけばよかったのかもしれないが、ないものを嘆いても仕方がない。わざわざ薬罐を買う気も起きない。

 

 まあ、そんなこんなで水筒中年をしているのは、愛しの自販機たちが軒並み値上げをしたためで、仕返しに節約してやろうと思い立ったからなのだが、逆に水筒があると安心して缶コーヒーをいっぱい買ってしまうことに気がついた。ジハンキスト危うし! である。

 

 ところでなんでスタバのボトルにコーヒーを入れないか、理由はちゃんとあるんだけど、それはまた別の話。別の機会に話すことにしよう。

 

 

 

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