ぶら下がり日誌~ボルダラーへの道~

釣りときどき岩、そして

No. 5

【近代】・・・進歩主義という名の幻想。

 

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 辺りは霧に包まれ、歩んできた道もわからない。長く歩き続けたために目はかすんでしまって、進みはじめたときにあれほどはっきり見えていた目的地は、今やおぼろげな灯りでしかなく、どの方角にあるのかさえ判然としない。

 

 目的地は朦朧化し、歩き続けるモダニズムは進めば進むほど不安に駆られていくのだが―俺はほんとうに目的地に近づいているんだろうか?―、歩みを止めることはできない。停滞は後退を、後退は死を意味するからだ。

 

「せめてこの眼ががもう少しはっきり見えたらなァ。目指す場所がはっきり見えれば力も出るんだが。ここは暗すぎる」とモダニズムはこぼす。

 

 コミュニズムはぐるぐるまわってばかり、キャピタリズムは船頭の格好をして海賊の真似事をしている。