ぶら下がり日誌~ボルダラーへの道~

釣りときどき岩、そして

寒山拾得

 先週の月曜に真空管ギターアンプを買った話。

 

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 物価が下がるか、子が落ち着くか、時間ができるか、数年後に都に出たら現行品を探そうと思っていたら、ハードオフに奇妙な品が出てきた。久しぶりに店に行ったらポンと置かれていたのである。Fender JapanのTweed Champ TC-10、お値段44,000円。

 

 キャビネット裏のプレートを確認すると1992年と記載されている。シリアルは100番台、出力は5Wで真空管は12AX7と6V6GT。リバーブはついていないが、ほぼ探していた通りの仕様である。おまけに安定のメイドインジャパン

 

 数ヶ月前に網を広げたときに出てこなかったから、まあ相当マイナーな品と考えていい。格安携帯のうらみでその場でgooglingできず、手元に現金もなく、またロードでは持ち帰ることもできないので、結論、その日は見送った。

 

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 部屋に戻って製品名つきで先生に聞いてみたところ、意外にも情報があまりない。90年代に数年にわたり国内で生産されていたモデルで、当時はそれなりに人気があったという。リバーブつきのモデルもあるようだ。

 30年前の電気製品など、もはやビンテージといっていい。真空管の寿命もあるだろうし、ロクなことにはならない、そこまで調べていたにもかかわらず、翌日ワクチンを打った足で店に寄り、無事な方の手で持って帰った。やれやれ、節約はどこへ行った?

 

 先日の釣り竿のこともあって悩んだ結果、というより、もう見た瞬間に心の中で買うことを決めていたと思う。エレキは見た目100、雰囲気100です。

 

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 で、どうか。タッチが出る。ダイナミクスが出る。出音と自分との距離が近い。言わば親密感のある箱である。20年前、初めてマーティンD-28を触ったときと同じくらい感動した。これは、好きな人がいるわけだわ。

 

 ただしノイズは出る。そしてボリュームをフルにしても思ったより歪まない。どうやら本家のChampとは回路が違うらしい。半導体を採用していて整流管がないのも歪まない理由のひとつかもしれない。わからない。

 

 何せクラプトンからギターに入って、ひとしきりブルースを聴いて育った筆者にすれば「これよこの雰囲気よ」という音が出てくる。イナタい。それでいて鯔背である。

 スタンバイスイッチもリバーブもないが気にならない。トーンコントロールが2つもあるし、十分である。何なら音が出なくても家具として部屋に置いておきたいくらい。

 

 問題はやはりノイズである。ボリュームを上げると無視できないほど低音がビリつく。

 いよいよ近所の楽器屋さんに行くときが来たか。