エレキ話の続き。
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スピーカーに関するメモ。ギターアンプではセレッション、ジェンセン、エミネンスなどが使われている。昔のフェンダーアンプといえばジェンセンだが、JBLのD110~140FのFはフェンダーの意だそうだ。一時期はオクスフォードのスピーカーも使われていたことがあったらしい。いずれも現在は入手困難との由。
筆者が探しているのはジェンセンのP8R。Pシリーズはアルニコで、Cシリーズはセラミック。アルニコはアルミとニッケルとコバルトの合金だそう。
自宅用なのでP8QではなくP8Rでいい。通常は型番末尾のアルファベットが進むと磁石が大きくなってスピーカーの許容量が上がる。ただしジェンセンは反対で、アルファベットが若くなるほどパワーが上がる。
まずはこれでトライしてみて、イマイチだったら素材も含め要再検討。宅用に8インチ、外用に10インチを用意するというのもいいかもしれん。するとキャビネットを2つ作らにゃならんか。
できれば12インチまで試したいが、あまりたくさんアンプを持っても、スピーカーがこなれるほど弾きこむことができないだろうから、この前買ったアンプと合わせて、せいぜい3つくらいが限界だろう。
それ以前に回路と出力の関係がまだあまりよくわかっていないんだよな。5F1回路で10インチスピーカーまでは実際に作られていたのでOKだと思うのだが、12インチを使うとしたら、たぶん余裕すぎるのだろう。回路設計から変えるという話になってきそうである。
ともかく、スピーカーで音が変わるのは間違いないと見ていい。もっとも、ギターアンプの場合、オーディオと違ってスピーカー交換がそこまで手軽にできないので、球転がしの方がよく行われているようだ。
そんなことを調べつつ中古屋を巡っていたら、ジャンクコーナーにナショナルとマツダの真空管を発見。12AT7と5Y3GTを330円ずつでゲット。
おおかた動作しないだろうが、しばし宝探し気分を味わえた。国産だしひょっとしたら動くかも、なんて。
それで話を戻すと、エレキで音を出すとき、ギター、ケーブル、アンプときて、ギターの音は手とピックアップと弦と木材で変わるし、ケーブルの音は素材や長さで変わる。昔は長いケーブルはハイ落ちすると言われていたが、いま調べるとそうでもないようである。ちょっとよくわからない。
というか、往年のギタリストたちはめちゃくちゃ長いカールコードを平気で使っていたのだから、当時の音に近づきたければあれを使えばいいのだと思う。あるいは見てくれで選んだっていい。前にも書いたがエレキは見た目100、雰囲気100である。オーディオとは畑が違うのだ。
エレキではハイファイを気にする必要はないということが、真空管アンプを触ってようやく肚に落ちた。出音を聴いて気持ちがいいかどうかだけ考えていればいい。そしてそれは常に揺らいでいる。そういうものだ。
唯一絶対の解を求めるのではなく、都度妥当な解を探すという、何やら仕事めいた話になってしまった。
・・・まあいい。話を戻そう。
上記を踏まえて音作りについて考えるとすれば、ライブではアンプは据え置きを使うことが多いが、その場合でも少なくともギターは自分のを使う。その上で見た目や弾きやすさや精度、そしてもちろん音のことがあって、ギタリストはまずはギターに金をかけるのだと思う。自分の身体に近いところから考えるというのは自然な発想ではないかと思う。
アンプはどうかといえば、スピーカーや真空管の他にも、出力トランスでも変わるし、パーツの品質でも変わるし、スピーカーケーブルでも変わってくるという。もちろん回路が違えば全く別物だし、それがプリント基板なのか手配線なのかでも多少違ってくる。同じ回路でもレイアウトしだいでノイズが増えたり減ったりする。
そんなわけで「好きなところを好きなようにいじって、その都度出てくる音をたのしめばいいじゃない」というところに落ち着く。なにぶん音を決める要素が多すぎるし、音を出している側も聴いている側も気まぐれだから、そうならざるを得ないのだ。
筆者はエレキは一本しか手元にないし、ケーブルはずいぶん昔に何本か試して「もういい」という感じだし、そうなると残るのはやはりアンプである。節約がてら自作できればいいのだが、迂闊に手を出すと本当に感電しちゃいそうなんだよな。
イノシシ対策がてらしっかりした手袋を用意しておこう。