有眠

 とにかく不快になったら寝る。おこっていると眠りづらいというのはまたべつの問題だ。

 

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 レストばなしのつづき。

 

krokovski1868.hatenablog.com

 

 これまでいろいろと書いてきたものの、やはりがまんして休むことをおぼえるしかないようだ。つまるところ、休むのにがまんを必要とする種族にとっては、アクティブレストなどもってのほかである。寝るのがいちばんてっとりばやい。

 

 寝ても寝ても回復しない、メシ食ってんのに回復しない、休んでも休んでもよくならない、それでも、病気までいかないちょっとした不調のときは、とにかく寝るのがいちばんてっとりばやい。

 

 「活動していないから血流はよくならないんじゃない」というひとがいても信じてはいけない。そんなのはまやかしであり、活動したいがためのいいわけにすぎない。そして、何かしていないと気がすまないという心性がどこから来ているかというのは、筆者の手にあまる問題である。

 

 畢竟、ほどほどに寝て、ほどほどに動きましょうというところに戻ってきてしまう。何もいっていないのといっしょである。ほどほどにできないときの対処法を知りたいのだが、それに関する報告は一向にあがってこない。

 

 強いていうならば、寝るときは誠心誠意、寝ようとすることかもしれない。途中にめざめても時計をみない。だまってもういちど目を閉じる。このあたり、宇野千代の『天風先生座談』に、つぎのように書かれている。

 

 「・・・今夜から寝がけに、必ず、寝床の中へはいったら最後、昼間の出来事と心を関係つけさせない努力をするんだ。人間、生きている間、自分がいくら朗らかに生きていようとしたって、はたから来る波や風は、これはもう防ぐことが出来ない。そこが人生だ。けれども、いったん寝床へはいったら最後、どんな辛いこと、悲しいこと、腹の立つことがあったにせよ、それをどうしても考えずにいられなかったら、明日の朝、起きてから考えることにするんだ。寝ることと考えることをいっしょにしたら、寝られなくなっちまうぜ。どんな頭のいい奴だって、いちどきに二つのことを思いも出来なければ、おこなうことも出来ない。立ったり、坐ったり、いっしょに出来たらやってごらん。出来ないだろう。往きと帰りといっしょにすることは出来ません。たった一つのことしか出来ない筈だ。

 寝るなら寝なさいよ。寝床に何しに行くんだ。考えに行くんじゃなかろうが。あそこは考えごとは無用のところだ。一日じゅう、昼の間に消耗したところのエネルギーを、一夜の睡眠、夢ゆたけく眠ったときに、また蘇る、盛り返る力をうけるところだ。(以下略)」

 

 起きるまで寝ていよう。以上、連絡おわり。