選取り見取り

 乳幼児あるある。親が見せたいものにかぎって無反応。

 

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 年功序列の組織の性格をみるには、賃金の仕組みをみればいい。といって、賃金体系をかえれば性格がかわるかどうかはさだかではない。

 

 賃金がはっきりと年功序列なら、できるだけながく居座るしか方法はない。この種の組織においては所属年数じたいが財産になるからだ。それは転職するとゼロになってしまうので、同業他社のいないゴリゴリの年功序列型組織にあって、転職ははっきりと損であるといえる。

 

 したがって、このような組織で中途採用をするなら、賃金体系をべつにして待遇を手厚くしないと、いわば社会的資本がゼロからのスタートになるわけなので、むずかしくなるだろう。

 

 なお、同期会や勤続年数の節目のあつまりなどは、序列意識を助長する典型なので、そういう催しがどれくらいあるかによって、組織の性格をうかがうこともできる。

 

 何かに帰属することじたいは、人間にとってすこぶる重要であり、それはひとつよりは複数あったほうがやはり安定する。仕事がタテ気味なら、ヨコの所属、すなわち職能集団や趣味のつながりやなんちゃらクラブの会員といった、属性によるつながりをもとめるのがいい。身分や帰属年数や学歴などによる差がすくないところ。なんなら能力も関係しないグループがあるといい。要は己の性格にあった所属先をもつことである。

 

 むろん、こうすべきだなどというつもりはない。このような感覚的な発言には、なんの信ぴょう性もない。以上、今日の連絡。