【オッサン】・・・和尚さんのこと。南東北一部地域の方言。
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4年ぶりに顧問弁護士の事務所へ挨拶にでかけたら、当然のように忘れられていた。大先生がメモをとるのに万年筆をつかっていて、4年まえはスルーしていたが、よく見るとペリカンのスーベレーンM800。名品である。
若先生に仕事のほとんどをゆずり、自身は一線から退かれているものの、万年筆にはつかいこまれた風格がただよっていた。曰く「僕はボールペンはつかわんのです」。絵筆まがいのわたしの万年筆とはエライ違いである。
とはいえ、ここでの仕事に万年筆はつかえそうにない。かえって本部時代のほうが出番があったろうに、そのときは万年筆もマーティンも認めないぞとがんばっていたのだから皮肉なものだ。
そういえば当時の部長が万年筆好きで、モンブランのミュージックシリーズを愛用していた。書きぐせがつくので軽々にひとの万年筆で文字を書いてはならないというのを、わたしはこのひとに聞いてはじめて知った。
そもそも令和の世の中で万年筆つかいに出会うことじたいが稀であるというのはまたべつの問題である。以上、連絡おわり。