稲村

 仕事は波乗りに似ている。

 

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 不明点やいいたいことがあってもあえて放置したほうがいいこともある。こころがかたまっているときは、聞いても素直にみとめられないからだ。 

 

 だからそういうときは、耐えて、調子がもどるのを待つ。あるいはほかのことをしてから、またもどってくる。そうしているうちにその場になじんでくる。そういうものだ。

 

 ガチャつくことをおそれないことだ。いつまでも怒りつづけられるひとがいないのとおなじように、止まない雨がないように、終わらない冬がないように、つづけていればいい状態にはいれることを、われわれは経験から知っている。

 

 それがいつになるのかを正確に予知するのはいつものようにわたしの手に余る問題である。以上、連絡おわり。