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 図書館に行くと不要不急のことがらに関する本を見つけてつい借りてきてしまう。中古屋に行くとちょっと気になっていたものを見つけてつい買ってきてしまう。両者が同じ心の働きによるものなのか不明だが、とくに本を借りるのはタダなので、ついつい持ち帰ってしまう。

 昔は「身銭を切らないと身につかない」と考えて暮らしていたけれど、もうそろそろそういう段階も通り抜けつつあるのかもしれない。

 

 それに、図書館というのも、あれでどうしてあなどれない。展示レイアウトに工夫をしたり、折に触れて特集を組んだりして、新刊でなくてもついつい興味を持って借りてしまうようにできている。

 

 それで焚き火の本があったので借りてみたところ、薪をくべる型というのが、ずいぶんいろいろあるのですね。とりあえずロングファイヤー型というのを覚えておくとよさそうである。 

 本によると、2本の太い薪を川の流れと並行に並べて、その間で火を起こすというものらしい。太い薪の下に細い薪を渡して下駄を履かせるようにすると、吸気効率が上がって良いとのこと。川の流れと並行にするのは、谷に吹く風を利用するためなんだと。ふーん。

 

 まず、火を熾すというのが、相当難しそうである。実家の薪ストーブですら触ったことのない身だが、この先何が起こるか分からんし、できるようにはしておきたい。

 

 外で火を作るとなると、火花をどうやって起こすかという話になってきて、これまた本によると、メタルマッチなどという代物があるらしい。火打ち石というのは聞いたことがあるけれど、それの現代版のようなものか。そもそも火打ち石って何石なのか知らん。河原でチャートを探してどうちゃら、というような記述もあったが、本当にできるのかよという感じである。

 

 チャートをその辺に叩きつけて割って、鋭くなった部分をさらに硬度の高い素材にぶつけて火花を起こす、という手順だろうか。火打ち石同士をぶつけても火花は出ないそうである。

 

 火打ち石以上に硬い物質がその辺で簡単に拾えるとも思えないから、モース硬度の高いアクセサリを、何かしら身に着けるようにした方が世話がないかもしれない。

 

 こうしてアウトドアサバイバル関連の本を読んでいると、つくづくナイフが重要であると知らされる。しかしながら筆者は文官であるゆえ、日常的に持ち歩くのは万年筆が精一杯である。

 

 ひとまず次に河原に行ったらいろいろトライしてみよう。