「えーと、つぶ貝の刺身、和風ガーリックポテト、玉ねぎのたまねぎソース、たこ焼きのミートパイがあるよ」
「・・・?」
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漢字で書かれているのに何がなんだかわからない、それが中華の料理名である。英訳でもついていればいいが、いつもあるとはかぎらんし、個々の文字は読めて意味もとれるのに、組み合わせるとチンプンカンプンなのはどうもすわりがわるい。
知っている漢字をたよりに適当にたのんで、何がでてくるかと期待するのもたのしいとはいえ、気の張る席ではできないし、やはりイメージどおりの料理がでてきてくれたほうが、世話がないのはたしかである。
そういう意味では、あまりちゃんとわかっても趣がなくなるのでほどほどに、ということで、たやすく漢字変換できる範囲で「メニューのなかにこの漢字が見えたらこんな感じ」というのを以下にまとめてみた。
炒、爆、烹・・・いためもの、とくに「爆」は短時間でサッと揚げたりゆでたりするもの
灼・・・ゆでたもの
炸・・・あげもの
溜・・・あんかけ
焼・・・いためてからとろ火でやわらかく煮たもの
煮・・・たっぷりの湯のなかで煮たもの
扒・・・汁気の多くない煮もの
拌・・・あえもの
凍・・・寄せもの
燻・・・材料を煮たり揚げたりしてから、いぶして香りをつけたもの
烤・・・直火焼き
煎・・・鉄板焼き
絲・・・細切り
片・・・薄切り
丁・・・さいの目切り
条・・・拍子木切り
末・・・みじん切り
泥・・・すりおろし
全、甫・・・まるごと
なお、料理名の漢字は、素材、調理法、味つけ、形状、地名人名、由来などの組み合わせからなる。水晶、翡翠、鳳凰、七星などのにぎやかしにも事欠かない。
書いているうちにでかけたくなってきた。我出去了! 再見!