中華料理のメニューの読みかた ~初級編~

「えーと、つぶ貝の刺身、和風ガーリックポテト、玉ねぎのたまねぎソース、たこ焼きのミートパイがあるよ」

「・・・?」

 

***

 

 漢字で書かれているのに何がなんだかわからない、それが中華の料理名である。英訳でもついていればいいが、いつもあるとはかぎらんし、個々の文字は読めて意味もとれるのに、組み合わせるとチンプンカンプンなのはどうもすわりがわるい。

 

 知っている漢字をたよりに適当にたのんで、何がでてくるかと期待するのもたのしいとはいえ、気の張る席ではできないし、やはりイメージどおりの料理がでてきてくれたほうが、世話がないのはたしかである。

 

 そういう意味では、あまりちゃんとわかっても趣がなくなるのでほどほどに、ということで、たやすく漢字変換できる範囲で「メニューのなかにこの漢字が見えたらこんな感じ」というのを以下にまとめてみた。

 

 

炒、爆、烹・・・いためもの、とくに「爆」は短時間でサッと揚げたりゆでたりするもの

 

灼・・・ゆでたもの

 

炸・・・あげもの

 

溜・・・あんかけ

 

焼・・・いためてからとろ火でやわらかく煮たもの

 

煮・・・たっぷりの湯のなかで煮たもの

 

扒・・・汁気の多くない煮もの

 

拌・・・あえもの

 

凍・・・寄せもの

 

燻・・・材料を煮たり揚げたりしてから、いぶして香りをつけたもの

 

烤・・・直火焼き

 

煎・・・鉄板焼

 

絲・・・細切り

 

片・・・薄切り

 

丁・・・さいの目切り

 

条・・・拍子木切り

 

末・・・みじん切り

 

泥・・・すりおろし

 

全、甫・・・まるごと

 

 なお、料理名の漢字は、素材、調理法、味つけ、形状、地名人名、由来などの組み合わせからなる。水晶、翡翠鳳凰、七星などのにぎやかしにも事欠かない。

 

 書いているうちにでかけたくなってきた。我出去了! 再見!