自由賦

「どちらも正しいから言い争うのよ」

―サラ・マルコッチー(ピエトロ・ジェルミ鉄道員』)

 

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 自由の特徴のひとつに権威への反抗があるとすれば、自分の意思で規律に自らを従わせるというのもあるだろう。いわゆる格率だが、それが個人から組織にまで拡大されたときにどうなるかというのは、わたしにはいまだにピンとこない。

 

 自由について語るときには、何か選択しなければならない状況を想定したほうがいい。また、自分が自由であるときには、他人もおなじように自由であることもわすれてはならない。かろうじてわかっていることがあるとすればそれくらいである。

 

 ニールス・ボーアは「正しい主張の反対は誤った主張だが、深遠な真理の反対もまた深遠な真理でありうる」といっている。どちらも正しいから争うというのなら、すこしはわかるような気もする。

 

 以上、連絡おわり。