人類は決して空を支配できない。人間に翼のないのは、自己充足的な進化の結果だからだ。
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酒を飲むのは二日酔いになるため。一病息災ではないが、原因も快復経過もわかっているちょっとした病にかかることは、精神にある種のビタミンを与えるようなものだ。
つまり、絶え間ない自己批判や反省や省察や不安や焦燥や外的圧迫や抑圧や命令や強制や締め切りや義理人情、吐き気や悪心や胸焼けや頭痛や悪寒などに集中せざるを得ないことによって、そうしたもの一切から、しばしの間逃れることができるわけ。
この事実はたしかに酒の重要性を示すものではあるものの、だからといって酒は百薬の長かといったら、そういうわけではない。ガードレールがついていることによって、安心して突っ走るということがあるからである。
