前回のつづき。
いつのまにか豆の渋滞が解消したので、スーパーで見かけた大手メーカーの格安豆を買ってきた。キリマンジャロの中深煎りである。
あけてみると、やはり欠点豆が無視できないくらい混じっている。そして雑味がつよい。概してコストパフォーマンスはあまりよくない。
あれから格安豆をいくつかためしているが、焙煎ムラがあったり、欠点豆が多かったり、豆がスカスカだったり、製品によってちがいはかなりある。ブレンドにロブスタがはいっているとき、缶コーヒーメーカーのほうがすこしよくなる傾向があるのは、ノウハウがあるということなのかもしれない。兎にかく、このレベルになると、アラビカ100%ならOKということにもならないから、はなしは少々ややこしい。
すくなくとも、ここまでランクを落とすと、メーカー品はハズレなしの原則は適用外になることがわかった。むしろブランド代が上乗せされる感じがつよまってくる。このような法則までいかない原則は、結局のところおおまかな傾向にすぎないので、あるポイントをこえるとあてはまりにくくなる。
焙煎ムラと欠点豆が多くても、味としてはまとまっているケースがあるのは不思議な気もするが、つまるところこれも真空管アンプとおなじなのだろう。個々のパーツがそれぞれ軽重をもって影響しあっている。豆の品質とブレンド、焙煎度、焙煎ムラ、欠点豆の割合、これらが真空管アンプでいう回路、真空管、スピーカー、出力トランス、電解コンデンサにそれぞれ対応しているわけだ。
ロブスタがはいっていても、欠点豆がおおくても、焙煎ムラがあっても、たぶんそれ以前に豆の素性と鮮度、ブレンド具合でかなりの部分がきまってしまうのではないか、というのが現状での整理。真空管アンプでいえば回路構成と定数がこれにあたる。したがって6~7割はここで決まる印象だが、のこりの部分があまりにアウトだと、弱い環の法則のほうが適用されてしまうので、軽視はできても無視はできないのが厄介である。
兎もかく、ここまでレベルをさげても、値段をふくめた総合力勝負であることにかわりはない。一周まわって業務スーパーの豆にもどってしまいそうだ。
・・・どこもかしこも按配か。つくづくカネ、カネである。
P.S. 豆の冷凍保存はわるくはないが、やはりすみやかに飲んでしまったほうがいいのはたしか。理屈はわからないが香りがよわくなる気がする。
以上、連絡おわり。