先憂後楽

 政治家が国民を映す鏡であるように、商品は消費者を映す鏡である。したがって、タイパを反映したものばかりが売れることになる。そういうものだ。

 

***

 

 節約だミニマルだと遮二無二つっぱしっていたところ、自分でメンテナンスできないものをもたない、ということばにひっかかって、かんがえさせられた。つかっていくうちに、すこしずつわかってきて、痛い目をみたり授業料をはらったりしながら、塩梅を身につけていくという面もあるんじゃなかろうか。

 

 さいしょから自分の手の届く範囲だけでとどまれば、それは安心だし、みずからの防衛圏内で生きることじたいはわるいことではない。しかしながら、それが時間とともにせばまるいっぽうであることは、認識しなければならないだろう。現状維持は衰退だからだ。

 

 年をかさねればだれでもそうなるとはいえ、若年寄りはいかんよね。こういうひととタイパを口ぐせにしているひとがおなじ種族なのか、しらないが、同一人物だとしたら、距離をとるのが賢明である。きっと気むずかしくて愚痴っぽいひとです。

 

 それともコスパは「お値打ち」で、タイパは「世話がない」なのだろうか。趣味の分野で時間効率を云々するひとの心理は私にはわからない。以上、定期連絡。