ところで「太っちょの腕の組み方」なるものがあるそうだ。「脇に両手を挟む」というのがそれだが「なんか多いような気がする」という程度のこんな話には当然、何の信憑性もない。
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本当は靴を履いていかなければいけないところ、ついついクロックスで行ってしまう。岩場も磯場も山道も、安全の為には本来、靴でなければならないのだが、そのイージーさと快適さにつられて、そんな風に過ごしてもう15年ほどになる。
元々、寒い時期以外は基本的にサンダルを履いている。眉をひそめられることもあるものの、TPOが許す限りそうしている。靴を履かなければ靴下を履かなくていいじゃない、その方が楽チンじゃない、という寸法で、雨が降ったときなど、帰ってから足を洗えばすむので、かえって世話がなくていいとさえ思っている。サンダルならすぐ乾くし、濡れて汚れた靴下というのは、あれはどう考えても始末が悪い。
一時期、非常に軽くて足裏のうすいシューズが足裏のトレーニング用に売られていたことがあって―いまもあるのだろうか―履いていたが、これならビーチサンダルにも同様の効果があるんじゃないかと信じて今に至っている。むろんこんな話にもやっぱり何の信憑性もないのだが、少なくとも足腰を痛めることなく暮らすことはできている。
釣りをしだしてから、クロックスではどうしても滑る局面が出てきたので、いまはフェルトをビーサンの底に接着して使っている。沢と言えばフェルト、ちなみにモンベルのサワーサンダルからは2セット分の底が取れる。ホームセンターに売られている中敷き用の製品でも間に合う。
ちなみに友人の沢屋さんに聞いたところ、場合によってはフェルトが効かないケースもあるそうだ。どこ水系だったか忘れたが、そういう場合もあるとのこと。現状、中讃の磯については快適に移動することができている。
閑話休題。クロックスはビーサンと違って足の甲を覆えるのが利点だと思う。強度についても、足裏がうすくなって穴が空くまでに6年近くかかったから、コスパも悪くないと言っていいだろう。
フリクションも意外とある。クライミングジムスタッフもジム内でけっこう履いているが、ジムでちょこちょこ登る際には、廉価品の方がソールが薄くて都合が良いそうである。
デメリットといえば、やはり足裏がゴムゴムした感触になることで、帰宅したらすぐに足を洗わないと、フローリングの床がやっぱりゴムゴムしてしまう。時代劇の旅籠よろしく玄関先に足洗い場でもあればいいのだけど、令和の世の中ではなかなかそうはいかない。
街でクロックスを履いている人を見かけるようになったのは2000年代の中頃だっただろうか。当時はエスカレーターに引っかかるだの、脱げて危ないだの、いろいろ言われていた覚えがある。いま調べると2002年にフロリダで発売された最初のモデルは「ビーチ」であったというから、あながち間違った使い方でもないのかもしれない。
讃岐に来るときにいいかげん履き潰して「もうしばらくはいいだろう」と思っていたが、1年と経たずにまた買った。たぶんここにいる間は履き続けるだろう。底がうすくなったらフェルトを貼ろうかな。さっき釣具店に行ったら、フェルトの替え底がちゃんと売っていた。今度はこれを使ってみようか。
いわゆるビーチシューズについては、また別の話。別の機会に、語ることにしよう。