生々流転

 「夜中に起きてジッとしている人間をオレは大好きだ。深く考えたら、寝ちゃいられんもんな」

殿山泰司

 

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 てっとりばやく気分をよくする方法。

 

・ところかまわず感謝する。あたりまえだとおもっていることに、なんでもこころのなかでありがたいとつぶやく。ひとに何かしてもらったらなんでもいいからとにかく「ありがとう」という。

 

 しあわせとは過程であり、こころの状態なので、しあわせを感じやすいひとになればいい。こんなわかりきったことに気がつかないで、よくもまあ、これまで馬齢をかさねてきたものである。

 

 はやい話が、おかねにとらわれて、あたら幸福を見うしなっていたというわけだ。やれやれである。

 

 われわれはただかんがえることはできない。うごきながらかんがえることしかできない。かんがえているあいだにかんがえている自分はかわっていくし、世界もまたうごいていく。しあわせがずっとつづかないのはそういうことだ。

 

 They happily live ever after、おとぎばなしのいちばんの嘘はここにある。ゆらぎのないところに幸福はなく、不幸のないところにしあわせはない。いかりやかなしみといったマイナスの感情のあればこそ、プラスが生きてくるのである。

 

 ずうっとしあわせではいられない。慣れるのが人間で、しあわせも慣れたら普通になる。だからずっと幸福でいることをもとめないで、そのときどきの気分をよくすることを目ざしたほうがいい。

 

 以上、定期連絡。