想像力(詩心)+観察力(差異に対するまなざし)+経験→洞察力(先読み)→大局観、形勢判断←理想≒目標
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年とともに、簡単にすむことがらを複雑にしようとしている気がする。以前はもっと大胆に括り、要約し、結論づけていた気がする。われ知らず結論を遅らせる癖がついてきてしまっているのかもしれない。これではただの保留癖だ。
確実にいえるのは、一気の読みの精度が下がっていることと、そもそも妥当な読み筋を措定するのがむずかしくなってきていることくらいである。こう書いてようやくことの深刻さを実感しているくらいだから、だいぶ深刻である。
もっともこれは、むかしより相対する局面が複雑化しているせいだ、ともかんがえられる。さらにいえば、十年まえは、おなじ局面でももっと単純にかんがえていた。いまはなまじ視野がひろがって、読みが多くなって、かえって読み自体に注力しにくくなっている、そういうことかもしれない。
読み筋の選定、読みの精緻化と深化、読み先の局面の評価、これらを刹那のうちにおこなう。これは、日常のなかで、状況に対して適切な語を瞬間的にあてていくような練習によっては、どうやら半分くらいしか訓練できないらしい。
もう半分をまかなうのにどのような修業が有効かについては、ざんねんながら筆者にはわかっていない。もっとちゃんとした修業法があるのかどうかについても、解明できていない。
やれやれ、参るねえ。