日々父親としての自分を発見し続けている。
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逆説的な言い方になるが、できなくなることを受け入れることで、できることが増えていく気がしている。できるのに見えていなかったものに気づけるようになるというか、単純にアプローチの仕方が変わるというか。要は視野が広がるのだろう、きっと。
とはいえ「視野を広げなさい」と急に言われてもピンと来ないことは多いので、制限を受け容れる、あるいは何かを諦めてその上で考えるという風に捉えた方が、結果的に視野が広がりやすくなるケースもあるように思う。それを認めることができにくいというのはまた別の問題である。
見方を変えると、そういうことが徐々に減ってきたと感じたとき、はじめて人は本当に老いはじめると言えるのかもしれない。精神の老境、それが静かな暮らしに至る道なのかどうか、今の筆者には知る由もないが、新しいことを見つけたとき、できなかったことができるようになる喜びを手放すつもりは、今のところない。
