印税は検印に由来する。発行部数ぶんのちいさな紙に印をもらって出版許可としていたものが、印紙税に印象が似ていたので、印税とよばれるようになった。
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万年筆ばなしのつづき。
件のパイロットだが、とにかくなめらかにインクがでる。そしてブルーのインクがナイス。時間とともに色が褪めて、見返すときの濃淡の景色がいい。
ただし、このひとは、相当かたい。とにかくかたいので、字までカクカクしてくる。インクをつかったボールペンというべきか、ゲルインキのボールペンとシャープペンを折衷したような書き味になっている。そもそもペン先のボールが見当たらないが、どういう仕組みなのか知らん。
総じて、何はなくともインクフローが安定しているのはマル。とりあえず紙のうえにペン先をおけば、即座にインクがながれだす。ただし、ボールがないせいか、書き味はどうやってもまるくならない。ヌラヌラ書ける角度を決められてしまう。
私はスチールペンをつかったことがないが、こういう書き味なのだろうか。ときどきどうしてもカリカリいう。
やはりというか、15年まえに父にもらった万年筆が好き品であることが、逆説的に首肯された。このひとはフローは不安定だが、ガリガリしない。ダメなときはスカスカいうだけである。
紙のうえをすべらせたいときと、紙を削りたいときと、気分でつかいわけるのがいいのかもしれない。紙をへこませたいときはボールペンをつかう。
そもそも、いまのままでは染料インクなので、万年筆は記録用にはつかえない。放置してどのくらいでインクが消えるかも、あわせて実験中である。以上、連絡おわり。