灰は灰に、塵は塵に

 プチ情報。スタジオジブリの短編作品『On Your Mark』がすごかった。戦慄した。

 

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 さいきんは本を買わないのでしなくなったが、この15年ちかく、気にいったページを破るのが習慣になっていた。さいしょは植草甚一のまねだったのだが、時間がたつうちにわからなくなってきた。どうしてこうなったのか、理由をかんがえてみたくなった。

 

 まわりにきくと、じつにいろいろな答えがかえってきた。あるものはそれを収奪といい窃盗といい、またあるものはものぐさと断じてはばからなかった。インフェリオリティー・コンプレックスの裏返しであるといったものもいたし、著者に対する自己優越性の保持であるとのたまうものもいた。

 

 ほかのものは「破らなきゃならないから破ったのさ。それ以外のことはかんがようもないよ」といい、それをファシズムの変形とかんがえるものもすこしはいた。なかにはそれを読書行為のタブーを打ち破る革命であるとほめそやすものがあり、それは古本屋への迅速かつひねくれた復習なのだといいはなつ輩もいた。

 

 それぞれの見解があまりにくいちがうのを目のあたりにして、あるものは否定し、いかり、あるものはうらみ、あるものは嘆きかなしんだ。またあるものは取引しようとし、あるものは神仏にすがり、あるものは無感動になり、まるものはあきらめ、あるものは一周してうけいれた。

 

 ・・・なんのこっちゃ、わけ、わからん。ひとまず連絡おわり。