正義と正解はべつものである。もっといえば、世のなかの多くのことがらに正解は存在せず、そのつど妥当な解があるだけではないかとおもう。
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若手とベテランでは、モチベーションの多寡ではなく、質がことなる。新人たちはまだ希望をもっているというか、猶予があるというか、新鮮である。若いといっていい。
見方をかえると、こらえ性がないというか、相手に不適切な対応をされたとき、すぐに態度にあらわしてしまう。わかりやすく不機嫌になってしまう。それがまわりにわかってしまうと、チームにとってマイナスであるということが、頭ではわかっていても、自分の感情を発露するほうを優先してしまう。
彼らはときどきおもいつきでものをいう。それが上司への仕事の指示だということがわかっていない。越権行為であることがわかっていない。
先輩に「それは君が決めることじゃないよ」といわれる典型的なパターンである。やはり若いのひとことにつきる。
若いから、なのかどうかはわからないが、仕事の優先順位ということばの罠にひっかかっている。優先度の高いものからしなさいというのはまちがいではないが、そればかりだと、中位以下の仕事がどんどんたまって、ふくれあがって忘れさられていく。
仕事に優先順位をつけなさいというのは、効率よくすすめなさいといっているので、つまりはバランスをとりなさいということである。重要度の高い仕事をすすめる合間に、そうでもない仕事を挟む。懸案が煮詰まりそうになってきたら、事務処理をかたづけてリフレッシュする。
サンドイッチ勉強法というのがあるが、それとおなじである。お勉強だろうが仕事だろうが遊びだろうが、効率よくゴールにたどりつこうとおもったら、やりかたは似通ってくる。
このうち、道中たのしんでいいのはあそびだけである。受験勉強で道草していたら点数はとれないし、仕事で寄り道していたらサボりになる。
さらにいうと、組織において優先順位の意味をわかっていないひとがいると、夏休みの最終日のように締切間際に一気に案件をかたづけるため、同僚にいちどに大量に仕事をまわすことになる。「タイトなスケジュールで恐縮ですが」などといっているヒマがあったら、仕事を抱えこまない工夫をしたほうがよほどいい。
まわりの仕事の進捗もかんがえて、自分の仕事がまわりにおよぼす影響もかんがえて、はたらくというのが、チームワークである。指示を五月雨でだすのは野暮だが、仕事は滞らないように順次まわしていく。その区別ができないうちは、土俵にあがれていないので、ガムシャラに働くしかない。ここでも気づき待ちである。
ブーメランになるまえにおわりにしよう。チャオ!