知識ー教養ー見識の順に実践的になる。あっているかは知らん。
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前回のつづき。
ハリイカが釣れたので、ためしに墨をとりだしてみた。内臓のなかでにぶく虹色にひかっているのが墨袋で、破らないよう、そっと中身を瓶にうつした。
羽根ペンで書いてみると、粘度がたかいせいか、不思議な味わいがある。粒子があらいせいか、乾いたあとでなでるとザラザラがひろがって木炭デッサンのような趣になる。
とにかく雰囲気はすごくある。そして新鮮なイカのにおいがする。
香りつきインクの一種として、リアルイカスミインクに需要があるとはとうていおもえないー気が散ってしまうよなーが、そこはかとなくいにしえの香りをあじわえた。以上、経過連絡。
P.S. ためしに墨を瓶ごと煮沸してみたところ、表面に膜が張ってますますイカの香りがつよくなった。要はタンパク質なので、牛乳をあたためるようなものだったか。むしろうすめたほうがよかったのかも。
インクが黒なのでカラスの羽根でもペンをつくってみたが、仕上がりはウミネコのほうがよかった。ぼちぼち本命の鳶筆づくりにとりかかりたい。
以上、連絡おわり。