もちものにはそれぞれもち味があり、もち味がわるければもたないし、味がわからないとたのしめない。そういうものだ。
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万年筆とりあつかい備忘録。
・何はなくとも平滑な紙に書くのがいい。レポート用紙などをつかうとヌラヌラ書けていい。
・筆圧をかけすぎるとペン先の切り割りのかたちがくずれて毛細管現象がおきづらくなり、インクがでづらくなる。インクがうまくでないと、いらだってつよく書いてしまいがちだが、それだと悪循環になってしまう。
・キャップをまわすときは胴軸をまわす。すくない力であけられるのでペンに負担をかけずにすむ。
・お湯につけると、ペン先と芯に影響がでることがあるので、つかうときは慎重に。ふつうは水道水でじゅうぶん。製造工程でお湯をつかっているらしいが、さだかではない。
しらべたかぎりでは、セルロイド製のものは熱によわいのでお湯はダメ、ということらしい。このごろの製品なら何かしら対処されていそうなものだが、これも要継続確認。むしろセルロイド製の万年筆をさがすほうがむずかしい気もする。
・インクについては表面張力と粘度、ペーハーがキーワードとなる。どれも公表されていないので、ひとまず純正品をつかうのが吉。
表面張力がよわければインクはでやすくなる。粘度がたかいとなめらかになるが洗浄という点ではマイナス。酸性とアルカリ性のものがまざると塩ができて詰まりの原因になるので、いろいろなインクをつかうときは慎重に。
畢竟、万年筆に顔料インクをつかわない、というのがトラブルフリーの見地からは世話がない。ただしそれだと記録用にはつかえない。
・ペンポイントにつかわれるイリドスミン球はイリジウムとオスミウムの合金で、イリドスミンをつくっている会社はすくない。ドイツのヘラウス、アメリカのパーカー、シェーファー、日本のパイロットである。
どちらもレアメタルで、イリジウムはモース硬度6.5、オスミウムは7。したがって火打石の要件をみたしている。
とはいえこればかりはトライするつもりはない。大地震がきてもしないとおもう。以上、連絡おわり。
P.S. 資料によれば、イリドスミンはかつて北海道の中央部一帯で産していたという。あまりに硬く、加工できないため、現地では「バカ石」といわれていたらしい。先日のブルース石といい、ジミヘンの「Stone Free」といい、こんなふうにどこからともなく石がでてくるのも謎である。どうなってんだろ?