ゲージツシ

 さいきんの息子。『宇宙なんちゃらこてつくん』のオープニングが大好き。ツボがわからん・・・。

 

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 一般に、おもいつきやアイディアは散発的でスプリント的になりやすい。要は音やシャボン玉とおなじで、すぐに消えてしまう。

 

 こういうものを持続させるにはスタミナというか、地脚が要る。おもいつきは路面にふいにあらわれるギャップのようなものなので、転倒はしないまでも、ペダリングはみだされる。

 

 そういうギャップを無視するのでなく、うけいれつつ、仕上がりに影響をださないのが職人という種族なのではないかとおもう。専門的なたかい技術をもち、それでいておなじものをたくさんつくれるひと。両立しづらい資質を兼ね備えているという点で、職人のふところは、見かけよりずっとふかいことがおおい。

 

 ものづくりにかぎらず、同時通訳者なども職人的はないかとおもう。こういうひとたちが自分のおもいつきに振りまわされないのをあおぎ見ながら、どのようして自らのインスピレーションを昇華しているのか、むかしから不思議におもっている。

 

 ひょっとしたら、このひとたちは、昇華するのではなく、消化しているのかもしれない。すなわちインスピレーションを品質の安定に変換してつかっているのかもしれない。じっさいどうしているのか知らない。

 

 あるいは、そもそも彼の種族にとって、アイディアやおもいつきは、発散する瞬間のほとばしりや、火花のようなかたちでは、あらわれないのかもしれない。わからない。

 

 なにやらアポロン型とディオニュソス型という、いつもの結論にちかづいてきてしまったので、この辺で止めて置く。以上、連絡おわり。