影の組織

 荘子に曰く、「ぼんやりとした中に変じて気が生じ、気が変じて形ができ、形が変じて命ができ、変じて死に帰す」と。

 

 

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 まともに話のできる相手もそのうちいなくなったら、己の影と共に暮らすほかはない。昔のエジプト人は影をものの魂と考えていたそうだが、そこに至って人はようやく一人前になるのかもしれない。すなわち月を肴に己の影と酒を呑む。

 

 

 しかしまあ、こんなに仕事がないのに、みんなどうして平気でいられるのか、不思議としか言いようがない。入社以来ずうっと暇とたたかっているのだが、こうして改めて書くと、本当にどうしようもない。

 とはいえ、ここで仕事を探しに行こうものなら出世してしまうし、この組織で上に行くと本当にロクなことがないから、周縁にとどまるしかなく、そのためには必要以上に働いては駄目で、結果として暇が炙り出されてしまうわけ。

 

 やれやれ、参るねえ。

 

 

 

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