「人は城、人は石垣、人は堀。」
―武田信玄―
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10年ちかくまえ、職場で配られたパンフレットに「1時間のうち10分間、席を立って休憩しましょう」と書かれていたことがあったのだけれど、こういうのは善し悪しではないかとおもう。興に乗っているときに中断するのはナンセンスである。
仕事の進捗とモチベーションをかんがえ、そのつぎに時間、というのが穏当のようにおもうものの、いつも数時間ぶっつづけというわけにいかない。8時間労働で、あいだに昼休みをはさむと、前後は3~4時間、人間が集中していられる時間についてはまえに書いているが、していることによるし、ひとによるし、モチベーションによる。
座業のひと区切りというのは、映画の尺を基準にすると、せいぜい90分程度ではないかとおもう。もって2時間、ものすごくうまくいって2時間半。観るだけでなく自分からアクションすることをおもうと、もっとみじかいかもしれない。
冒頭にもどると、おそらくこういう風に決めないと、席を立ちづらいひとがおおいので、こういう書きかたになっていたのだろう。この国のひとはつくづく真面目である。
逆に、あまり恣意的な休憩を許すと、サボりにちかづいていく。そういう意味では、ガイドラインとして1時間に10分というのは、1周まわってわるくないアイディアのような気がしてきた。どっちなんだい。