ぶら下がり日誌〜ボルダラーへの道〜

子育て、仕事、パン、文具。ときどきファミコン。

クイックタイム!

 前回のつづき。レトロゲームのターン制バトルのはなし。スーパーファミコン編。

 

krokovski1868.hatenablog.com

 

 ちかごろのゲームにうといので、ひょっとしたらちがっているかもしれないが、今日び、ターン制バトルなどというものは、化石のような存在になっているのではあるまいか。とくにオンライン上ではアクションRPGにすっかりとってかわられているのではないかという気がする。

 

 FFもドラクエもターン制バトルを採用していて、私はこれで育ったクチである。このシステムの壁は、あえていえば「退屈」ではないかとおもう。レベル上げがどうしても作業化してくる。

 

 じっさい、レベルアップという概念のないRPGはなかなかないとおもう。レベルにあたるものがどこかに存在する。HPがふえたり、武器がつよくなったりする。

 

 レベル上げをしないにしても、そのへんのRPGでは、なんどもおなじ敵とたたかうことにはなる。くりかえすと飽きてくるので、製作者がわでは敵のバリエーションを用意する。種類をふやしたり、あるいは敵はおなじでも、さまざまな行動をさせることで、プレーヤーを飽きさせないように工夫する。

 

 エンカウント方式もここに絡んでくる。要はランダムエンカウントだと、たたかいたくないときでも、戦闘に巻きこまれることになる。より現実のシミュレーションにちかいともいえるが、さっさとストーリーをすすめたいプレーヤーにとっては、ストレスであることにかわりはない。

 

 作業化をさけるためかどうかわからないが、シンボルエンカウント方式にしているゲームもわりとある。これは、敵と戦闘するかどうかをある程度までプレーヤーがわで決めることができ、たまたま敵にあたってしまっても、こころの準備ができているので、不意打ち感はすくない。

 

 うまく敵を配置すれば、敵を避けていくことじたいがアクション要素として加算されるのもポイント。もっとも、プレーヤーがそれを好むかどうかは、またべつの問題である。

 

 とはいえ、ランダムエンカウントでもシンボルエンカウントでも、くりかえしているうちに、どうしても画面遷移がうっとうしくなってくる。だから、というわけでもないだろうが、『聖剣伝説』や『ゼルダの伝説』のようなアクションRPGでは、戦闘とレベル上げとアクションゲームがくっついている。

 

 ある意味では、アクションRPGというのは、ターン制バトルの退屈さを回避しようとしてうまれたシステムといっていいのかもしれない。とくにゼルダのほうは、ダンジョンの謎解きを効果的にとりいれることによって、大成功をおさめたゲームである。さいきんはどうか知らん。

 

 見方をかえれば、アクション要素がはいったことで、じっくり腰を据えてつぎの手をかんがえるよりは、反射がものをいうようになり、それによって逆にターン制バトルに特有の性質が浮き彫りになったともいえそうである。ターン制バトルでは、敵の行動と、敵味方の行動順をいくらか時間をかけて予測し、それにもとづいて自軍の行動をきめることになる。これがすすんでシミュレーションRPGというジャンルが発展したといいたくなる気もしないでもない。

 

 もっとも、上述のランダムエンカウントでの敵避けと事情はおなじで、とにかく物理攻撃と火力で押していきたいプレーヤーには、こういうのはあてはまらない。反応より反射でうごくようなプレーヤーと、反応して長考するプレーヤーとがいて、われわれはそのなかのどこかに位置しており、それぞれ好むゲームスタイルはちがってくる。

 

 RPGという器のなかで、それらにこたえるようにジャンルが細分化されていったというよりは、たんに前作を上回るために、各メーカーがさまざまなあたらしいシステムをつぎつぎに工夫し、それらがしだいにジャンルとしてすみわけられていったというほうが、あたっているような気がする。要は泥縄式であり、自転車操業であり、場当たり的であり、自然発生的である。発展は演繹的ではなく、帰納的に生じたものとおもいたい。でないとレトロゲームのこうしたわけわからんエナジーのほとばしりの説明がつかない。

 

 話をバトルシステムにもどすと、『クロノ・トリガー』は革新的だったとおもう。画面遷移をともなわず、移動から戦闘へとシームレスにつながっていく。ほかのスーパーファミコンソフトでこの方式を採用したものをおもいつかないが、さがせばあるのか知らん。

 

 また、『マザー2』はシンボルエンカウント方式ではあるものの、敵とのレベル差があるときは、敵のほうで勝手に逃げていき、こちらから追いかけて敵と接触しても、画面遷移せずに一瞬で勝利できるようになっていた。プレイしていて、こどもながらに「おおっ」とおもったおぼえがある。

 

 もしも自分でターン制バトルRPGをつくるとしたら、好きなところをいいとこどりしたい。すなわち画面遷移は面倒なので『クロノ・トリガー』方式とし、敵とのレベル差があるときは、そもそも戦闘に移行しないようにする。そのうえで、『ロマンシング・サ・ガ2』にならい、戦闘中に技を閃く方式にしたい。アクティブタイムバトルについては、プレーヤーによる選択制とする。

 

 いっぽうで、レイアウトをどうにか工夫して、敵の行動をドラクエのようにテロップ表示したい願望もつよい。文体のノリは『新・桃太郎伝説』や『ジャングルウォーズ2』や『マザー2』のオフビートなスタイルを踏襲したい。

 

 これらが同居しないというのが最大の問題か。いいかえると、ドラクエがテキスト文化であるというのは、そういうことである。

 

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 つまるところ、ターン制バトルのいっぽうの行き着くさきはアクションであり、もういっぽうの終点はシミュレーションであり、その極北はグラフィックデザインとテロップの文体になるのではないかとおもう。その点はやはり『マザー2』が最長不倒のような気がする。フォントをいじってきた「土星さん」には衝撃をうけた。以上、連絡おわり。