ずいぶんむかしに友だちと登っていたとき「息吐くと力抜けちゃうじゃん」といわれて首をかしげたことがあったが、いまになってふと思いあたることがあったのでメモ。
たしかに、長く吐くと力は抜ける。ストレッチのときとおなじだ。いっぽう、みじかく強く吐くことで、力がでる気はする。シャウト効果は確実にあるし、じっさい、みじかく連続で息を吐くと、腹横筋を意識しやすくなる。
距離をだしたいときなどに、息を強く吐くというのは、有効であるようにおもう。ひょっとしたら、瞬間的に吐いたあと、ムーブ完了までの数瞬は、身体は張ったまま息はとまっているのかもわからない。
こうみてくると、しずしずと登るスタイルのクライマーは、そもそも腹横筋をしっかり張った状態が登るときのデフォルトで、それを解かないように呼吸をしているのではないかともおもえてきた。
わたしは動的にホールドをとりがちなタイプなので、息を細く長くして、ゆっくりムーブをつなぐことを意識すれば、何かしら良い影響がでるかもわからない。要継続トライ。
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それにつけても、深呼吸すると咳がでてしまう患者に吸入式の薬をだす医者と「ちゃんと吸いこまないと効果ないです、みんなちゃんと吸えてないんで」と念押しする薬剤師は、どちらも自分ではその薬をつかったことがないのだろう。あげく薬袋に記載する患者の名前と用量用法の漢字をまちがえて平然としている。
患者のほうを見ない医療従事者がふえていく。悪徳建設業者のような医者にぶつかることがふえていく。連中は患者の容態に枝豆ほどの関心もはらわない。
病気がちな医者ならまたちがうかもしれない。しかしながらダサダサの服を着たデザイナーに仕事がこないように、病弱で貧弱な医者のもとに患者はあつまらないことになっている。だからわるい医者はつねに土建屋のように壮健で、やりてのディーラーのように慇懃なのだ。
彼らのこころの耳はくさってとれてしまっている。ひょっとしたら自分でちぎって食べてしまったのかもしれない。どっちなのか私にはわからない。
以上、連絡おわり。