Where did I go wrong?

 ところでトルコの諺に「明日できることを今日するな」というのがあるのだが、これは「今日できることは今日のうちにしておきなさい」ということでもある。10年かかってようやく気づかされた。

 

 こんな風に示唆を得られることもあるから、ときには長年放置して疑問とおもわなくなりつつあることがらをえらんで他人に口ばしってみると、いいことがあるかもわからない。

 

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 万年筆にもお国柄がでるという。モンブランは硬いとおもう。とある文房具屋の主人によれば「日本の文字は日本の万年筆のほうが向いている」そうな。肯けるはなしである。

 

 道具へのこだわりは大事だ。べつに高いものでなくたっていい。Pilotの1,000円のとかでもわるくない。ぼちぼちボールペンを卒業しようかな、とおもいながらこれまた10年以上経過している。

 

 万年筆にもとめられるのは精神の重厚さと大らかさで、これを育むどころか、瞬発力や手数を伸ばすことばかりに注力してきたから、急につかおうとしても、ちょっとやそっとではなじまないのである。ステップを踏んで間合いをとるのに慣れている人間にいきなり擦り足を要求するようなものである。

 

 とはいえ、「他人の靴に足を入れる」という諺もあるし、習慣の力は偉大だが、たまにそれに揺さぶりをかけるのは良いことだし、ひとまずトライしてみるか。