目標のないときは部屋を片づけよ。(サージェント・クロコフ)
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節約節約と連呼しながら、要らないものをつぎつぎに捨てようとしている。これだけ多くのモノにかこまれて、ある意味ではとっくに豊かすぎるのだ。
断捨離だミニマルだといっても、じぶんのいちばん好きなモノだけを厳選して、それだけをのこすというのは、非常な贅沢であると感じる。内需の洗練、それが贅沢でなくて何だというのだ?
岩登りも贅沢な趣味といってさしつかえないとおもう。大なり小なり非生産的な行為であそぶのが趣味であり、そのなかでも無意味さの際だつものが贅沢カテゴリに入るのではないかとじぶんでは思っている。
むかしから「無駄を贅沢につかう」をモットーに暮らしてきて、そろそろ節約フェイズに入ったと思いきや、やはりひとの性格はそうかんたんにかわらない。節約を贅沢につかうようになっただけである。
・・・一周してわかりやすくカネ、そして健康だ。健康はカネで買えないが、節制は節約で買える。
組織に入ったばかりのころ、蓄財が趣味の老頭児たちが幾人かいた。「預金通帳の残高が増えていくのが楽しい」といっていた彼らの気持がこのごろ、なんとなくわかってきた。
むかしは散財して預金が減りつづけてもなんとも思わなかったのだけど。つくづく、ひとは変わる。